2022/07/04 12:57
日本人はなぜか、子供の頃から郵便ポストが大好きです。
そもそもポストはなぜ赤いのかご存知でしょうか? 最初は黒かったらしいですが、トイレに間違われたり、変なものを入れられたりしたので、特別なものだと示すために赤くしたという話があります。赤という色を社会的に「手に入れた」ことは結果的にとても大きかったと思います。子供と古今東西ゲームをして「赤いものと言えば?」聞くと、1~3番目ぐらいにはポストが挙がりますよね。それほどまで強く印象付けたのです。
老若男女に分かりやすく目に付く色や見た目を選ぶことは、いろいろな分野においても1つ重要な考え方です。
郵便のマークも秀逸です。「T」みたいなものの上に短い線が1本付いているものですが、なんであの形かご存知ですか?よく「手紙の「テ」かな?」みたいに言われますけど、郵便局の前身である「逓信省」の「テ」からとり、それをまっすぐな形にしてあのロゴになったそうです。
シンプルすぎるからこそ、今の時代でも古くなることがありません。
誰もが知っている文字は、無意識に覚えられやすく受け入れやすいので、それを活かしたロゴにしたことも、郵便を広めることに貢献したアイディアです。
そして、ポストにおいて究極にすごいなと思うところが、そのたたずまいから滲み出る「魔法感」です。
僕の幼少期のポストとの初めての出会いは、「ここに手紙を入れるとおばあちゃんの家に届くよ」と教わったことです。皆さんも、似たような感じだったのではないでしょうか。
「これ、どんな仕組みで手紙がおばあちゃんの家に届くんだろう?」と、不思議で仕方ありませんでした。特に、下が細い筒のような柱で支えられている現代のポストの形状が良く、管で地面とつながっているようにも見えるため、手紙が管を通って届くのだと思っていました。
それでいて、小学校の社会の授業で、ときどき郵便局の人が中をあけて手紙を運んでいるのだと知ったときは、がっかりするどころか「郵便屋さんになりたい!」と思ったものです。
ポストは、たくさん細かいアイディアの集合体として魅力あるモノになりました。ポストに限らず、何か1つのモノを見たら、その中にあるいいところを1つ1つ挙げてみて、今の仕事のヒントにできないかを考えてみましょう。
◆この原稿は、ボイスメディアVoicyの音声配信番組、「高橋晋平の1日1アイデア」を参考に原稿化されたものです。
Voicy 高橋晋平の1日1アイデア:https://voicy.jp/channel/1883
高橋晋平Twitter:https://twitter.com/simpeiidea
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