2022/08/29 09:15
大学時代の恩師の教授に学んだアイディア発想術
大学時代に所属していた研究室の教授の思い出話です。
現在の、おもちゃ開発やアイディア創出の仕事をする道を作ってくださった方で、今も2年に1回ほど研究室の同窓会でお会いしています。研究以外のプライベートなことでもお世話になりました。
教授はとても優しく温厚な方で、いつも楽しそうにいろいろなアドバイスをしてくれましたが、1回だけ怒られたことがありました。この経験がその後の自分の働き方に大きな影響を与えました。
大学院時代に珍しく、学会に参加するということで、東京へ行く機会がありました。
僕は、自分の研究論文を発表した後、研究の続きに取り組む時間が惜しかったので、すぐに新幹線で帰って、そのままその足で研究室へ戻りました。
作業をしていると教授に見つかり、せっかく学会や東京の街へ行ったのに、他の人の発表をできるだけ聞いたり、街を散策したりして新しい知見や情報などを得て来ようとしなかったことで、強く叱られました。長々とした説教ではなく、一瞬ガツンと言われた感じでした。
その1,2年後に僕は会社に就職し、おもちゃのアイディアを考える仕事を始めました。その頃は学生時代から相変わらず、いつも「時間がもったいない」と思いながらデスクワークに没頭しがちな性格でしたが、それでも折に触れて教授に言われたことを思い出し、外のいろいろな人や新しい情報にヒントを求めるために、街をうろつくようになりました。
このときのことを教授に直接話したことはまだありません。教授も覚えていないかもしれないし、いい気がするかどうかわからないので話すかどうか迷っていますが、いつかお礼は言いたいなと思っています。(ちなみに、先輩にこっそりその話をしたら、「そんなことを言ってもらえるなんて、うらやましい」と言っていました。)
あのとき叱られていなかったらと思うと、ゾッとすることがあります。結局、あの一件により僕はアイディア発想法を身に付けることができ、そのおかげで仕事の成功を収めることができました。
今振り返ると、教授の叱り方はすごく上手かったなと思います。短い一瞬で心を動かし、僕の人生を変えたわけですから。今僕は、自分の子供に大切なことを伝えるときに、そのときの教授の真似をしています。
◆この原稿は、ボイスメディアVoicyの音声配信番組、「高橋晋平の1日1アイデア」を参考に原稿化されたものです。
Voicy 高橋晋平の1日1アイデア: https://voicy.jp/channel/1883
高橋晋平Twitter: https://twitter.com/simpeiidea
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